オーディションに参加しました

現在「こうのとりのゆりかご」の広報ビデオを制作中です。

先日は赤ちゃんを「ゆりかご」に預ける母親役の役者さんを決めるためのオーディションに参加させていただきました。

この役には福岡県を中心に約60人の応募があったそうですが、ビデオ審査を経て選ばれた12名の候補者が監督達の前で演技をしました。
17~21歳の若い人ばかりでしたが、劇団や芸能プロダクション、モデル事務所に所属していて、入室するときの挨拶などを見ても「オーディションに慣れている」感がある人たちでした。

素人がオーディションに首を突っ込む意味があるのか当初は疑問もありましたが、意外とわかりやすく興味深い体験でした。

広報ビデオの影響力は主役の演技に負うところが大きいですから、依頼者の私たちとしても真剣です。

上の写真は母親が赤ちゃんを抱っこしてバスに乗っている演技を披露しているところです。泣いてしまった赤ちゃんをあやす演技が求められています。

赤ちゃんを産んだり育てたりしたことがない彼女たちには酷な気もしました。
(あやすだけなら7人の赤ちゃんを育てた私の方が上手く演じるかも…)
きっと頭の中に記憶している母親の姿をたどりながら演技しているのでしょう。
それはテレビドラマで見たシーンや、親戚の女性があやす姿、街角で見た母親の姿が基になっているのかもしれません。
その意味では普段から人間を観察していなければ演じることは難しいと思います。
俳優さんには、表現力だけでなく観察力や想像力が求められるのではないかと感じました。

演技してくれた人達は笑顔が魅力的で礼儀正しい女性ばかりでした。AKBなどのアイドル系グループやアナウンサーとして活躍できる顔立ちの人も多くいました。

ただ俳優として生き残るためには、それだけではだめなのだと思います。
素人の私でさえ依頼者の立場になれば、人を引き込むような演技ができる人を求め、食い入るように見つめます。テレビのドラマや映画をぼーっと観ているのとは違います。

今さら言う必要はないかもしれませんが、芸能界は厳しい競争の世界だと思います。4時間かけて12名の演技を見せてもらい、それを感じました。