仙台駅の前で菊田昇先生の本を読んでいます。
昨日は菊田先生の奥様、ご長男様にお話を伺いました。
菊田昇先生は蓮田太二や私にはとても真似のできない闘いをなさって特別養子縁組制度を導かれました。これは素晴らしいご功績で、救われた母児は少なくありません。
しかし、この制度が実現して30年が経つのに、いまだに遺棄・殺人は無くなりません。
世の中には、「いわゆる常識」「普通」から外れた境遇や思考パターンに至ってしまう女性がいます。彼女たちを責めるのは簡単ですが、彼女たちの多くは過酷な生育歴・人生を歩んできています。
赤ちゃんを産んだら、家族に報告して出生届を出すのが当たり前の事ですが、どうしてもそれをできない女性が(極めて少数ながら)存在するのです。必死になって妊娠・出産を隠し通し、時として自宅で独り出産し、中には赤ちゃんの遺棄や殺人につながるケースさえあります。
この現象を少しでも少なくするには、身内や同僚、友人に知られる事なく出産できるシステムを構築しなければいけません。それが「こうのとりのゆりかご」であり、内密出産であり、匿名出産です。
出産した事実を赤ちゃんにすら秘密にする事を保証しなければ、この問題は改善できません。菊田昇先生でさえ、核心となるこの問題を解決できずに天国へ召されました。
「赤ちゃんの遺棄・殺人防止」⇔「出自を知る権利」
この相対立する課題をどう解決するのか…
頑張らなければいけないけれども、気の重い宿題です(T_T)