春になると病院の周りでネコたちが激しいケンカをします。
お気に入りの女の子を巡る争いは人間にもありますが、ほっぺたの肉がえぐれる程の傷を抱えるネコもいて痛々しいです。
一方、先日は病院の敷地内でネコが出産しました。
かわいいけれど先々のことを考えると気が重いです…
ノラネコたちにエサをあげている女性が近所にいるそうで、食べ物には困らないようですが、それでもネコが増えれば縄張り争いのケンカも増えるでしょうし。
危機感を覚えた私は、ネコの避妊手術を進めることにしました。
捕獲器で捕まえて動物病院で手術をしてもらいます。
メスが18000円、オスが13000円、とりあえず5~6匹が対象です。
避妊手術には賛否が分かれるところです。
しかしネコ間の共生、人間との共生のためにはやむを得ないのでは。
「ゆりかご」に携わっていると、避妊手術を勧めたくなる女性に遭遇することがあります。過去に複数回赤ちゃんを預けた女性にはピルや避妊リングの提案しますが、実行率が極めて低いのが現実です。
匿名で赤ちゃんを預ける「ゆりかご」ケースとは別に、名前を名乗って病院で出産して赤ちゃんを特別養子縁組にする女性と接する機会もあります。そして、これを繰り返す女性がいます。生まれた赤ちゃんは尊い存在です。しかし実母さんには将来同じことを繰り返して欲しくないのが本音です。
慈恵病院はカトリック系の病院なので避妊手術は御法度ですが、個人的には避妊手術は必要と考えています。これを表立って言えるのは、私がカトリック教徒ではないからです。イエス様の取られた行動には学ぶべきところが多々あるのですが、妊娠をコントロールできず、実母を知ることのできない赤ちゃんを次々に出産し、当の女性も悩み苦しんでいるのなら、避妊手術はあって良いのでは思うのです。