東京の赤ちゃんポスト・内密出産から1年 #2赤字を出さない内密出産?

これまで私に寄せられた情報を元に推測しますと、賛育会病院の内密出産では「できるだけ赤字を出さないこと」が最優先になっているようです。その背景には、赤ちゃんポストと比べて赤字幅を大きくしてしまう内密出産のコスト構造があります。

赤ちゃんポストの場合は預けられた赤ちゃんは入院になるものの、その後は乳児院に移ります。東京の乳児院が一杯にならない限り、赤ちゃんが病院に居る期間は短いですから、病院側の負担は大きくありません。また入院期間中は行政から補助金が出ます。熊本の場合、出生日~5日目は日額6438円、6~30日目は日額1348円、31日目以降は日額2188円と決して多くはないのですが…。

赤ちゃんポスト単独では大きな赤字を生みません。

ところが内密出産の場合は、妊婦健診費用、分娩費用、分娩後の入院費用などのお金がかかります。自然分娩なら分娩費用が60万円以上かかりますし、帝王切開なら100万円以上になります。女性に内密出産を許してしまえば、その度に病院には赤字が積み上がります。

しかし病院側が内密出産を認めず、女性に名前を明かしてもらい健康保険を使ってもらえば、出産一時金の50万円が病院に入りますので赤字は縮小できます。名前を明かすところまでこぎ着ければ、50万円以外の自己負担分を実家の親御さんに払ってもらったり、女性本人に分割払いをしてもらったりすることも期待できます。内密出産を認めない方が病院には経済的メリットがあるわけです。また匿名性を撤回させることができれば、「内密出産が子どもの出自を知る権利が損なっている」と病院が批判されるようなこともありませんので、メリットが多いのです。

しかし、その方針は母子にリスクを負わせることになります。
このことについては別の記事#8#9でご説明したいと思います。