東京の赤ちゃんポスト・内密出産から1年#6「9割が内密出産を取りやめ」

熊本日日新聞が令和7年11月6日に出した記事には、これまで数十人の女性が内密出産を希望して賛育会病院に相談し、そのうち約9割が内密出産を取りやめたとあります。同様の情報は読売新聞にも掲載されていました。

9割の女性たちが、その後にどのような経過をたどったかの情報はありませんが、名前を明かして賛育会病院で出産した人もいれば、連絡が取れなくなった人もいるでしょう。その連絡が取れなくなった人の中には慈恵病院で内密出産をした人もいました。

心配なことは内密出産をあきらめて自宅で出産した人です。赤ちゃんが賛育会病院の赤ちゃんポストに無事預けられていれば良いのですが、自宅出産時に母児にトラブルが発生したり、事件になってしまったりすることを心配します。

慈恵病院が女性に内密出産の断念を促すのは1割くらいです。

当院は母体の合併症や、妊娠35週未満の早産事例など、医学的に産婦人科単独では対応できない場合に内密出産を断念していただいています。

また遠方にいる女性に陣痛が始まった場合も、当院到着前に出産になってしまうかもしれませんので、身元を明かして近くの病院に行っていただいています。その他、匿名のままでは女性が再び犯罪に巻き込まれそうな場合に、女性に名前を明かしてもらうようにお願いした事例もありました。

内密出産は母児の命と健康を守ることに存在理由がありますので、内密出産を強行することで母子の健康に害が及ぶようでは本末転倒です。しかし、そのような状況でなければ、可能な限り女性たちの要請に応えて内密出産を実施するのが当院の方針です。